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乳房の赤み

乳房の皮膚が赤くなっていることに気づくと、多くの方は「乳がんではないか」と強い不安を感じてしまいます乳房の赤みや熱感は乳腺炎が原因であることが多いですが、炎症性乳癌など重大な病気が隠れていることもあります。発熱や強い痛みを伴う場合は早めに受診してください。乳房の変化は、早期発見と適切な処置が何よりも大切ですので、気になる症状があれば迷わずご相談ください。

乳腺の症状に気づいた方へ

乳房の赤みの原因

乳房に赤みが生じる原因は多岐にわたります。乳腺そのもののトラブルであることもあれば、皮膚表面の問題であることもあります。まずは、どのような原因が考えられるのかを整理して知っておくことが大切です。

乳腺の細菌感染や炎症

最も頻度の高い原因の一つが、乳腺に細菌が入り込んで炎症を起こす乳腺炎です。特に授乳中の方は、乳管に母乳が詰まることで炎症が起きやすくなります。授乳中でなくても、乳管に細菌が感染したり、自身の免疫反応によって炎症が生じたりすることがあります。炎症が強くなると、皮膚まで赤みが広がり、熱感や痛みを伴うのが特徴です。

皮膚疾患によるもの

乳房の皮膚も、体の一部分ですので、他の部位と同じように湿疹やかぶれ、じんましんなどの皮膚トラブルが起こります。下着による摩擦や、汗による蒸れが原因で赤みや痒みが生じるケースも少なくありません。また、帯状疱疹の初期症状として、痛みと共に赤みが出ることもあります。

悪性腫瘍に伴う変化

注意しなければならないのが、乳がんによって皮膚が赤くなるケースです。がん細胞が皮膚のリンパ管に入り込むことで、皮膚がオレンジの皮のように赤く腫れたり、厚くなったりすることがあります。これは炎症性乳がんと呼ばれる状態で、通常の乳がんと異なり、しこりをはっきりと触れない場合もあるため、画像診断による精査が不可欠です。

乳房の痛みが伴う場合の詳細については「乳房の痛み」のページを参照してください。

乳房の赤みによって引き起こされる病気

乳房の赤みは、単なる一時的な症状ではなく、特定の病気が隠れているサインです。ここでは、臨床でよく見られる具体的な病気について解説します。

急性乳腺炎と乳輪下膿瘍

急性乳腺炎は、細菌感染によって乳腺が急激に腫れ上がる病気です。高熱を伴うこともあり、皮膚が真っ赤に腫れます。放置すると、乳腺の中に膿が溜まる膿瘍という状態になります。また、乳輪の周囲に繰り返し赤みや膿が出る乳輪下膿瘍という病気もあります。これは陥没乳頭の方に多く見られる傾向があります。

乳腺炎の詳細については「乳腺炎」のページを参照してください。

肉芽腫性乳腺炎

肉芽腫性乳腺炎は、細菌感染ではなく、自己免疫的な反応によって乳腺の中にしこりや膿ができる特殊な炎症です。非常に治りにくいのが特徴で、皮膚が赤くなったり、破れて膿が出たりすることを繰り返します。乳がんと非常に見分けがつきにくいため、乳腺専門医による慎重な診断が求められます。

炎症性乳がん

炎症性乳がんは、乳がんの中でも進行が速いタイプの一つです。炎症と名がついていますが、細菌感染ではなく、がん細胞の広がりによって皮膚が赤く腫れます。早期に発見して適切な治療へつなげることが極めて重要です。しこりがなくても、皮膚の赤みやむくみが続く場合は、この病気を否定(その病気ではないと判断すること)するために精密検査を行う必要があります。

乳房パジェット病

乳頭や乳輪の皮膚が赤くなり、ただれたようになるのが乳房パジェット病です。湿疹と間違われやすいのですが、実は乳がんの一種です。軟膏を塗っても改善しない赤みやただれがある場合は、注意が必要です。

乳頭の皮膚トラブルについては「乳頭のただれ」のページを参照してください。

乳房の赤みの処置や治療法

乳房の赤みに対しては、まずその原因を突き止めるための検査を行い、原因に応じた適切な処置を選択します。

原因を特定するための精密検査

当院では、赤みの原因を明らかにするために以下の検査を組み合わせて行います。

  • マンモグラフィー・・乳腺全体の構成や、石灰化、皮膚の厚みなどを確認します。
  • 超音波検査・・乳腺内のしこりの有無や、膿の溜まり具合、血流の状態を詳細に観察します。
  • 組織生検・・炎症とがんの区別が難しい場合、針で組織を一部採取したりして顕微鏡で確認します。

当院の院長は放射線診断専門医であり、画像診断に特化した視点で、見逃してはいけない病変を確実に見つけることに努めています。

マンモグラフィについて詳しくはこちら

炎症性疾患への治療

細菌感染が原因の乳腺炎であれば、抗生剤の投与が基本となります。膿が溜まっている場合は、注射針で膿を吸い出したり、皮膚を小さく切開して膿を出す排膿処置を行ったりします。肉芽腫性乳腺炎のような特殊な炎症の場合は、ステロイド薬などを用いた専門的な加療が必要になることもあります。

悪性腫瘍(乳がん)への対応

検査の結果、乳がんが原因であると判断された場合は、速やかに適切な治療を開始する必要があります。乳腺専門医である女性医師が、診断結果を丁寧にご説明し、地域の基幹病院と連携して、手術や薬物療法など患者さん一人ひとりに適した治療環境を整えます。予後(治療後の経過や見通し)を良くするためには、一刻も早い診断と治療開始が欠かせません。

乳がんの診断後の流れについては「乳癌(診断、術後フォロー)」のページを参照してください。

乳房の赤みについてのよくある質問

Q1. 痛みはないのですが、赤みがあるだけで受診しても良いですか?

A1. はい、ぜひ受診してください。痛みがない赤みの方が、かえって重大な病気が隠れている場合があります。特に炎症性乳がんは、痛みがないのに皮膚が赤くなることがありますので、放置せず早めに専門医の診断を受けることをお勧めします。

Q2. 授乳中ではありませんが、乳腺炎になりますか?

A2. 授乳中でなくても乳腺炎になることはあります。糖尿病などの持病がある方や、喫煙される方に多い非授乳期乳腺炎というものがあります。また、原因不明の肉芽腫性乳腺炎という病気もあり、これらは専門的な検査が必要です。

Q3. 皮膚科と乳腺外科、どちらに行けば良いか迷っています。

A3. 乳房の赤みであれば、まずは乳腺外科を受診されることをお勧めします。もし皮膚だけの問題であれば皮膚科をご案内できますが、乳腺内部のトラブルや乳がんが隠れていないかを画像診断で確認できるのは乳腺外科(乳腺クリニック)の強みだからです。

Q4. 検査は痛いですか?

A4. マンモグラフィーは板で挟む際に多少の痛みを伴うことがありますが、短時間で終わります。超音波検査はゼリーを塗って機械を当てるだけですので、痛みはありません。炎症が強くて触れるだけで痛い場合は、無理のない範囲で検査を進めますのでご安心ください。

院長より

乳房の赤みを見つけたとき、皆さんが感じる不安は計り知れません。「何でもなければいいけれど、もし悪い病気だったらどうしよう」というお気持ちで、受診をためらってしまう方もいらっしゃるでしょう。当院は、そのような不安を抱える皆さんが少しでも安心して一歩を踏み出せる場所でありたいと考えています。

当院には、日本乳癌学会認定の乳腺専門医をもつ女性医師と、画像診断を専門とする放射線診断専門医である院長の二人がおります。医師夫婦で運営する小さなクリニックですが、その分、高度な専門性とあたたかな対応の両立を大切にしています。最新の知見に基づいた精度の高い診断を行い、異常がない方には心からの安心を、そして治療が必要な方には確かな道筋をお示しします。

「この程度の赤みで受診してもいいのかな」と遠慮する必要はありません。どのような些細な変化でも、あなたが不安を感じたのであれば、それは受診するべき十分な理由です。四日市駅前という通いやすい環境で、皆さんの健康を守るお手伝いをさせていただきます。お一人で悩まず、どうぞ私たちを頼ってください。ご来院を心よりお待ちしております。

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