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乳頭のただれ

乳頭の湿疹やただれは皮膚炎の場合もありますが、まれに乳房の病気が原因となることがあります。

三重県四日市にある当院では、こうしたデリケートな乳頭のトラブルに対して、専門的な視点から丁寧な診療を行っています。乳腺画像を専門とする放射線診断専門医の院長と、日本乳癌学会の乳腺専門医である妻の二人体制で、患者さんの不安に寄り添います。なかなか治らない場合や片側だけに症状がある場合は、一度ご相談ください。

乳腺の症状に気づいた方へ

乳頭のただれの原因

乳頭のただれ(びらん)が起こる原因は多岐にわたります。乳頭は非常に皮膚が薄く、デリケートな場所であるため、少しの刺激でも炎症を起こしやすいのが特徴です。当院の診察でよく見受けられる主な原因をいくつか挙げていきます。

物理的な刺激や摩擦によるもの

日常生活の中で最も多い原因の一つが、下着(ブラジャー)による摩擦や圧迫です。特に、サイズが合っていない下着を着用し続けたり、運動中に乳頭が激しくこすれたりすることで、皮膚の表面が削れてただれが生じます。また、授乳中の女性においては、赤ちゃんが吸う時の刺激や、乳頭を拭きすぎることで皮膚のバリア機能が低下し、炎症が起こりやすくなります。

化学的な刺激による接触性皮膚炎

いわゆる「かぶれ」の状態です。新しく変えた石鹸やボディソープ、洗濯洗剤、あるいは保湿クリームなどの成分が肌に合わず、アレルギー反応や刺激反応を起こすことがあります。乳頭付近は汗が溜まりやすく、蒸れやすい環境でもあるため、成分が皮膚に浸透しやすく炎症が強く出ることがあります。

アトピー性皮膚炎や乾燥

全身的な乾燥肌やアトピー性皮膚炎の一環として、乳頭に湿疹が出ることがあります。特に冬場の乾燥する時期には、皮膚のバリア機能が低下し、強いかゆみを伴うただれが発生しやすくなります。かゆみに任せて掻き壊してしまうと、そこから細菌感染を起こして、ジュクジュクとした分泌物が出る二次的なトラブルに繋がることも少なくありません。

乳房パジェット病(乳がんの一種)

最も慎重に検討しなければならない原因が、この乳房パジェット病です。これは乳管の中に発生したがん細胞が、乳頭の表面へと移動してくることで起こります。見た目は湿疹やただれと非常によく似ていますが、市販の塗り薬を使っても改善しないのが特徴です。一見すると皮膚の病気に見えますが、本質的には乳がんの一種であるため、早期の精密な診断が不可欠です。

乳がんの可能性については「乳癌(診断、術後フォロー)」のページでも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

乳頭のただれによって引き起こされる病気

乳頭のただれを放置したり、適切なケアを怠ったりすると、以下のような病気へと進行、あるいは併発する恐れがあります。

乳輪下膿瘍

乳頭のただれから細菌が侵入し、乳輪のすぐ下に膿が溜まってしまう病気です。乳頭付近が赤く腫れ上がり、強い痛みを伴います。悪化すると皮膚に穴が開いて膿が出てくることもあり、再発を繰り返しやすい厄介な疾患です。特に陥没乳頭の方は細菌が繁殖しやすいため、注意が必要です。

乳腺炎

ただれた部分から乳管に細菌が入り込み、乳腺全体が炎症を起こすことがあります。授乳期だけでなく、非授乳期でも起こる可能性があります。高熱が出たり、乳房全体が激しく痛んだりすることがあります。乳腺炎の初期症状として乳頭の違和感を感じることも多いです。

乳腺炎の詳細については「乳腺炎」のページを参照してください。

慢性湿疹・苔癬化

ただれやかゆみを長期間放置し、繰り返し掻きむしることで、乳頭の皮膚が分厚く硬くなってしまう状態です。これを苔癬化(たいせんか)と呼びます。こうなると治療に時間がかかるようになり、乳頭の形が変形してしまうこともあります。早い段階で適切なステロイド外用薬などを使用し、炎症の連鎖を断ち切ることが重要です。

進行した乳がん(パジェット病の進行)

乳房パジェット病を単なる湿疹だと思い込んで放置すると、がん細胞が周囲の組織やリンパ節へと広がっていくリスクがあります。パジェット病は乳頭の表面の変化として現れるため、早期発見のチャンスがある病気です。「ただの皮膚病だろう」と見過ごさないことが、予後を左右します。

乳頭のただれの処置や治療法

当院では、まずそのただれが「良性の湿疹」なのか「悪性の病変(パジェット病など)」なのかを見極めることから始めます。患者さんの症状や経過に合わせて、以下のようなアプローチを行います。

徹底した問診と視診

いつから症状があるのか、かゆみや痛みはあるか、市販薬は使ったか、といった点を確認します。乳腺専門医の視点から、ただれの広がり方や、乳頭の形の変化、分泌物の有無などを丁寧に観察します。良性の湿疹であれば左右両側に出ることが多いですが、パジェット病の場合は片側だけに現れることが多いという特徴があります。

精密な画像診断

見た目の症状だけでなく、乳房内部に異常がないかを確認します。当院では以下の検査を組み合わせることで、精度の高い診断を目指しています。

  • マンモグラフィー検査・・乳頭直下の石灰化や構造の乱れを確認します。
  • 超音波(エコー)検査・・乳管の拡張や、しこりの有無を詳細に観察します。放射線診断専門医である院長が、微細な変化も見逃さないよう注視します。

マンモグラフィについて詳しくはこちら

 

乳頭のただれについてのよくある質問

Q1. 市販の湿疹薬を塗っても大丈夫ですか?

A1. 数日間使用して改善するようであれば一時的な湿疹の可能性がありますが、1~2週間使っても良くならない、あるいは悪化する場合は使用を中止して受診してください。パジェット病の場合、一時的に薬で症状が和らいだように見えても、根本的な解決にはならず診断を遅らせてしまう原因になります。

Q2. パジェット病と普通の湿疹はどうやって見分けますか?

A2. 非常に似ていますが、パジェット病は「片側だけ」に起こることが多く、皮膚がめくれたり、ジクジクした状態が長く続いたり、乳頭の形が少し平坦になったりする傾向があります。しかし、肉眼だけで確実に否定することは難しいため、専門医による診断が不可欠です。

Q3. 授乳中ではありませんが、乳頭がただれることはありますか?

A3. はい、あります。授乳の有無に関わらず、乾燥やかぶれ、加齢による皮膚のバリア機能低下、そして乳房パジェット病などは起こり得ます。特に閉経前後の方で、片側の乳頭だけにただれがある場合は注意が必要です。

Q4. 検査は痛いですか?

A4. 視診や超音波検査に痛みはありません。マンモグラフィーは乳房を圧迫するため多少の痛みを感じる方もいらっしゃいますが、当院ではできるだけ負担の少ない撮影を心がけています。皮膚生検を行う場合は局所麻酔を使用します。

院長より

乳頭という非常にデリケートな部位の症状は、誰かに相談するのをためらってしまうこともあるでしょう。しかし、長引くただれの中には、早期発見が必要な病気が隠れていることがあります。私たち四日市駅前よしかわ乳腺クリニックは、近鉄四日市駅から徒歩圏内の通いやすい場所にあります。日本乳癌学会 乳腺専門医と放射線診断専門医の二人の視点で、お一人おひとりに寄り添った誠実な診療を心がけています。早期発見が、あなたの大切な健康を守る第一歩です。少しでも不安を感じたら、迷わず私たちを頼ってください。

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